以下は呼吸器のケアをテーマにしたハンズオン・ヒーリングのクラスに関連して書いたエッセイ(内容を一部アップデート)。
2012年5月にロザリン・ブリエール師が東京でのヒーリング・クリニックを訪れて学生たちを指導された際、「これから呼吸器の病気が増えていくから、その準備をしなさい」と言われた。
個人的には、色々な経緯から空気の質に敏感だ。とくに東京での滞在が2週間を超える頃から咳が出始める。他方で東京在住の人は、空気の汚れにわりと耐性があるように見える。
咳というのは基本的に気管が不要なものを押し出そうとする試みなので、咳自体が悪いわけではない。むしろそれは、好ましくない物質が環境中にあることを教えてくれる体からのサインだ。
もちろん汚染物質に対する耐性は人によって差があり、都会に住んでいる人は明らかに耐性が高く、普段きれいな環境に住んでいる人ほど敏感に感じとる。花粉には反応するが排ガスには反応しないといった個人差やアレルギー的な影響もある。
この冬、九州から関西では、目が痛んだり炎症を起こしたり、風邪でもないのに咳が出るという症状に見舞われた人がかなりあった。私も京都に滞在中、目やのどの調子がおかしく、ひどく咳が出始めて、不思議に思い調べてみたら、それが大陸から大量のPM2.5汚染粒子が風に乗って関西に届いた時期だった。
地球規模で見れば、空気を清浄に保つのになくてはならない、「地球の肺」とも言える原生雨林が、1時間に36平方キロの割合で破壊され、地球の空気をきれいに保つための機能が日々損なわれている。
工業化や都市化に伴う空気汚染、冬季の暖房による空気の汚れ、東南アジアでは焼き畑による煙害といった、空気の質を低下させるさまざまな問題。そして大気に国境はないので、汚染がどの国で発生しようと、それは地球上のすべての人間に多かれ少なかれ影響を与える。
「食べものは3週間、水は3日、空気は数分」という言い方がある。3週間は食べなくても飢えて死ぬことはない。水が飲めなくてもぎりぎり3日ぐらいは生きられる。だが呼吸ができなくなれば数分で肉体の死を迎える、という意味だ。
呼吸は生命の維持に直結する機能であるにもかかわらず、多くの人はそれを当たり前のことに思い、注意を払わない
呼吸は生命の維持に最重要な機能であるにもかかわらず、多くの人は「呼吸ができて、自分が生きている」ということをあまりに「当たり前」のことと捕らえ、呼吸機能の意識的なケアもせず、空気の質を守るための努力にも注意は向けない。
それこそ呼吸器の病気を経験して空気の質に敏感な人でもなければ、普段から注意して気をつけることはない。
しかし生命に直結する機能である以上、呼吸は私たちの生活の質や健康の維持に大きく影響する。肉体にエネルギーを取り入れ、流すためにも、呼吸は欠かせない役割を果たす。
呼吸器の機能を強めることと、まわりの環境への繊細な反応力を保つことのバランス
呼吸器は機能を強めることと、まわりの環境への繊細な反応力を保つことのバランスが必要な臓器だ。
呼吸する力が強まれば、エネルギーを取り入れて体に流し、使いこなす力も高まる。それは自然に活動力を高め、精神をバランス、安定させ、思考力を高めることにもつながる。
古代から呼吸の制御があらゆる精神的な修業の基礎とされてきたのも、このためだ。
講座では、まず呼吸器の基本的な解剖生理学的知識をおさらいする。その上で各自の呼吸機能を自己チェックし、自分の呼吸機能を高め、よい状態に保つにはどんなことが必要かといったことから、タッチ・ヒーリングで家庭向けのケアを行うことまでを学んでいく。ヒーラーやボディワーカーの人に役立つ実用的な内容も含む。
参考
* SPRINTERS 大気汚染微粒子および黄砂の飛来予測
そらまめ君 大気汚染物質広域監視システム(左コラムの「表示項目」でPM2.5」のボタンを押して表示)
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