第5チャクラはのどに位置する。色は青で、カリフォルニア大学ロサンジェルス校のヴァレリー・ハント博士の実験では、ヒーラーや透視能力者は、100Hz-240Hzの間と、800 Hz帯域のエネルギーを「青色」として識別する。
臓器ではおもにのどや肺を含めた呼吸器、内分泌腺では甲状腺と副甲状腺に結びついている。組織レベルでは筋膜と結合組織に対応する。
第1、2、3のチャクラが物質世界での活動に対応するのに対し、第5、6、7のチャクラは人間の内的世界と精神面に対応している。
第4チャクラはその中間にあって、外面と内面、物質と精神の二つの世界をつなぐ役割をもつ。
第5チャクラの基本色は青だが、これも人によって、深いコバルトブルーから明るい空色まで色味に違いがある。このチャクラが枯渇したり弱い人では、薄く力のない、かすれたような青色。甲状腺の機能の異常もこのチャクラに表れる。
ちなみにオーラ(ヒューマン・エネルギーフィールド、生体エネルギー場)の青は、伝統的に精神性の色と言われる。普段から内省的で自己の内面に目を向ける人や、高い世界に思いを向けて過ごす人のオーラは確かに全体として青に見える(オーラの中で青色が一番多く作り出されている)。アルファ波の出るような心を静めるメディテーションをした後にも、オーラの全体が青色に見える。
外向的、物質的なタイプの人のオーラは基本的に黄色や暖色系で、青色はあまり見られない。しかし誰でも、脈拍が130を超える(息の切れるような)運動をしばらく続けると、オーラの全体がまずオレンジ色になり、運動の後にはそれが青色に変化することが知られている。つまり激しい運動をした後に訪れるすーっと落ち着く気分というのは、α波が出ている状態と言えるかもしれない。
第5のチャクラの重要な機能は肉体の「形」を保持すること。7つのエネルギー体のうち、神智学などの伝統的な用語で「エーテル体」と呼ばれるものは、このチャクラに結びついている(バーバラ・ブレナンは、これを「エーテル体テンプレート」と呼んでいる)。
体中の筋膜と結合組織がこのチャクラにつながっている。
第5チャクラのもう一つの重要な機能は時間との関係性。
このチャクラはある意味、神秘的でとても興味深いチャクラだ。限りなく理性的で秩序だっている一方、頭だけで理解することのできない奥深さがある。
第5チャクラ 肉体面での影響
第5チャクラと結びついているエーテル体は、「肉体の完璧な青写真(鋳型、テンプレート)」であるとも言われる。エネルギーの視点からは肉体の形は、この青写真ないしは鋳型に沿って形成される。
多くの人で、肉体はこの鋳型から部分的に「滑り落ち」ている。「滑り落ちる(slip)」というのは妙な表現だが、そうとしか言いようがない。このレベルで作業をするヒーラーや、場合によってはロルファーの人などにも、その感じがわかるだろう。「ぶれる」あるいは「ずれる」と言ってもいい。本来ならばぴったりとはまっているものが、部分的あるいは全体的にずれたり外れたりしている状態だ。
肉体とこのテンプレートの間にずれが起きる原因は、物理的には怪我や外傷、事故、慢性的に肉体に加えられるストレスなどだ。乱暴な手術が原因になることもある。すべての手術が問題なのではなく、適切に行われた手術は、むしろこのずれを修正することができる)。
怪我や手術の傷の治りが遅い場合に、エーテル体に働きかけるヒーリングをすると、ほぼ間違いなく傷の治りが加速する。また傷跡として残っているものでも、ほとんどの場合、目に見えて傷が消えたり、癒着した組織が正常化していく。
私の経験上、このようなヒーリングの効果は傷の古さにはあまり関係がない。ブログにクライアントの体験談なども載せてあるが、10年以上前の傷でもハンズオン・ヒーリングの効果は出る。
肉体の外傷以外にも、自分があるべき本来の道から外れて生きる、自分自身に正直で忠実でない生き方をすることは、自己の青写真と肉体の間に乖離をもたらす。その状態が長く続けば、やがて肉体の健康にも影響が出るのはむしろ自然なことに思われる。
エーテル体に対する肉体のずれを修正して本来の状態に戻すことができると、肉体の形に大きな変化が起こせる。
例えばボディワークのロルフィングは筋膜に直接働きかけるが、アイーダ・ロルフの教えに忠実な古典ロルフィングが体の形を整えるのに優れているのは、このことに関係している。腕のよいロルファーは第5チャクラがよく発達していて、本人が意識するとしないに関わらず、肉体とエーテル体に同時に働きかけている。
私はこれまで260回ほどのロルフィングを受けてきているが、これは自分のヒーラーとしての能力を支える土台の一つになっている思う。強く、安定してバランスのよい肉体は、魂にとっても必然的に住み心地のよいものだし、物質世界での活動能力を高める。
第5チャクラ 音と沈黙の力
第5チャクラはその位置から想像がつく通り、のどの機能にも関係している。のどは発声と自己表現の座だ。声を出しての自己表現は、第5チャクラの創造性の表現としてわかりやすい。
しかし見落とされがちなのは、沈黙のパワーもまたこのチャクラの機能だということ。音と沈黙は表裏一体であり、沈黙はむしろ音のマトリクス(母体)である。沈黙という空間の中で、個々の音が時間軸に沿って発せられていく時、言葉や音楽が生まれる。
だから第5チャクラの機能を高めるには、声を使ったり、外的に何かを作り出したりして自己表現を行うのと同じくらい、沈黙の中で時間を過ごすことが重要だ。沈黙に耐えることのできない人は、本当の意味で声と言葉の力を身につけていない。
いつもおしゃべりの絶えない人の言葉は一つ一つが軽い。第5チャクラの力を体得している人は、普段は言葉少なくても、今ここという時に、本当に必要なことを明晰に語ることで、言葉の力をフルに発揮させることができる。
第5チャクラのヒーリング
第5チャクラはもともとエネルギーを送り出すチャクラ(アウトプット・チャクラ)の一つなので、ヒーリングの際にはこのチャクラに直接エネルギーを入れることはしない。
無理にエネルギーを押し込もうとすると、エネルギーが逆流して、クライアントはのどがむずむずしたり、苦しくなったり、咳をしたり、何かを吐き出したいような感覚におそわれる。
カタルシス(吐き出すことで浄化を行う)のアプローチに慣れている人は、こういった反応をよいことだと解釈するかもしれない。しかしカタルシス反応自体はつねにエネルギーを消耗する。時には、時間をかけてクライアントの体に流したエネルギーが、その後のカタルシス反応ですべて吐き出されてしまうことすらある。
あちらこちらのヒーラーを転々としてきた人の中には、このカタルシス反応が癖になっていて、エネルギーが体に流れ始めるやいなや、咳をしたり体をぶるっと揺さぶるなどして吐き出してしまう人が時々いる。これは健全なことではない。
ハンズオンヒーリングとカタルシス的な心理プロセスを同一セッションの中で組み合わせることの問題点は、ここにある。
ハンズオンヒーリングを通して肉体の回復や治癒を支えるためには、肉体に馴染みのよいエネルギーが有機的な形で流され、体はそれを水を飲むように自然に飲み干すのが望ましい。そうすればエネルギーは体に染み渡り、本人が心身ともに充実するのを助けることができる。
第5チャクラのヒーリングでは目詰まりをとったりバランスをさせることもできる。また第5チャクラと密接に結びついている甲状腺と副甲状腺に直接働きかけることもできる。
そしてセルフヒーリングもそれと同じくらい重要だ。自分でできて、効果的な第5チャクラの整え方は二つ。
一つは声を使うこと。好きな物語や詩の音読、カラオケ、なんでもいいが、意識的に、能動的に、そしてできれば声にエネルギーを乗せる形で声を使う時間をとること。
もう一つは、沈黙のうちに内省的に時間を過ごすこと。静かな場所で一人になって、自分自身の内的おしゃべりを止め、まわりの音にひたすら耳を傾けてみる時間をとろう。「聞く」こともまたこのチャクラの機能だからだ。
クラスでよく勧めるのは、禅寺などで瞑想したり、静かに座って時間を過ごすことだ。京都の竜安寺はわかりやすいのでよく挙げるが、こういった歴史のあるお寺の静謐な空間は、第5チャクラにとって「馴染みの」空間であり、癒しになる。

第5チャクラとその周辺については、次の号でもう少し書く。
『エネルギーの海 スピリット通信』(vol. 25)
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