フラワーエッセンスは、今すぐ必要な効果を得るためにも、時間をかけた魂の成長の触媒としても使うことができる 植物の生きる自然のリズムと向き合う

チコリ

 フラワーエッセンスを服用すると、エネルギーの感覚がある程度開いている人では、即座に体やエネルギー、時に感情面での反応が経験されます。しかしこういった短期的反応を経験することだけが、フラワーエッセンスをとる目的でありません。

 フラワーエッセンスの作用はリソナンス(共振性)に基づくため副作用がなく、誰にでも安全に使えるレメディです。緊急時やここ一番という時にも、フラワーエッセンスほど多様なサポートを提供してくれるものはありません。

 『フラワーエッセンス・レパートリー』や『フラワーエッセンス辞典(電子書籍版)/(通常書籍版)』を読んでもらうとわかりますが、緊急時の気つけ薬的な働きから日常的なストレスへの対応まで、人間の経験するありとあらゆる状況に、ぴったり対応するエッセンスが存在すると言えるほどです。

 フラワーエッセンスに初めて出会い、そのすばらしさに感激した人の誰もが通過する時期があります。

 それは、日常生活のありとあらゆることにエッセンスを使わずにはいられず、エッセンスを使わないと不安にさえになってしまう「エッセンス依存」の状態に入ることです。

 「朝はまず目覚めに、モーニンググローリーとローズマリー。通勤中は都会の環境汚染から体を守るためのヤロウ環境エッセンス。
 仕事中は自信と集中力をつけるためにマディアとシャスタデイジー。嫌いな上司から自分を守るためにヤロウ。同僚の言葉に傷ついたらスターオヴベツレヘムか、ひどい時にはファイブフラワー(レスキュー)。
 家に帰ったらリラックスするためにキャモミールとラヴェンダー。お風呂には浄化用にクラブアップル、寝る前には夢見がよくなるようにマグワートとスターチューリップ……」

 さすがにここまでいかなくとも、使い始めの頃のエッセンスの選び方はしばしば、もっぱら目先のことに向いたものになりがちです。

 とりあえず気になって仕方のない目の前の悩みや状況を、手っとり早く解決してくれそうなものを選び、そして効果が感じられたどうかに関係なく、その状況が過ぎればエッセンスをとるのも忘れてしまうといった経験は、エッセンスを使っている人ならあるのではないでしょうか。

 上の例はちょっと極端で、実際にこんな使い方をしていたら、本当の効果は感じられないはずです。1日の間にとるエッセンスの数が多すぎると、体とエネルギーの方で混乱してしまって反応しなくなるからです。

 実際に上のような使い方をしている人がいたとしたら、それはエッセンスの効果を実際に受けとっているというよりは、エッセンスを気休めのお守り代わりに使っているようなものです。そして本人が「効果」と思っているのは多分にプラシーボ的なものです。

 普通、混乱を起こさずに1度にとることのできるエッセンスは5種類か6種類が限度です。テーマを絞らずに使い散らせば、効果がわからない状態になることもよくあります。

 それはともかく、「今すぐ必要なものを」的な使い方をしてもエッセンスは助けになります。しかしフラワーエッセンス療法の本領は、魂の成長過程の触媒として、長期的に用いられることにあるのです。

 次に読者からの質問とその回答を交えて、話を続けましょう。

エッセンスは希釈するほど強力になるか?

 フラワーエッセンスの希釈には、マザー、ストック、服用ボトルの3段階があります。

 マザーは最初に花から生成されるエッセンスです。ストックはそれを希釈して活性化、安定化して保存成分を加えたもので、ショップで販売されているのはこれす。活性化と安定化の手順はメーカーや作り手によってさまざまです。

 ストックボトルには、メーカーによって2滴から10滴ほどのマザーエッセンスが含まれています。

 服用ボトルは、プラクティショナーや使用者がストックボトルから希釈して作るものです。30ccの水と保存成分に対し2滴から4滴のストックを加えます。

 物質レベルで作用する薬や化学成分はもちろん、植物の精油やハーブ液でも、薄めれば薄めるほど効果は弱くなります。他方、ホメオパシーを学んでいる人なら、ホメオパシー薬は希釈を重ねるほどポテンシー(作用)が強くなることを知っています。

 フラワーエッセンスの場合、希釈されることで効果が弱まることはありません。マザーエッセンスとストックでエッセンスの効果が大幅に違うかと言えば、そんなことはありません。これは物質の化学成分ではなくエネルギーを媒体とするエネルギーレメディに特徴的な性質です。

 液が希釈されても、含まれているエネルギーの性質自体は変化しないので、効果が弱まることもないのです。

 ストックを服用ボトルに希釈しても、エッセンスとしての性質は弱まることはありません。服用ボトルを作る際に追加の活性化をしたり、祈りやアファメーションのエネルギーを加えたりすれば、飲む人にとっての効果は、買ったままのストックボトルから何もせずに直接飲むより、ずっと高まります。

 この意味で、ストックから服用ボトルへの希釈、つまりプラクティショナーに服用ボトルを作ってもらうか、自分の手で服用ボトルを作る段階を踏むことで、エッセンスの効果をさらに自分にとってベストのものに調整する機会があるのです。

 それでは、ホメオパシーのように希釈を繰り返していけば、エッセンスはもっと強力になるのでしょうか。

 FESのパトリシア・カミンスキとリチャード・キャッツは、著書の中でこう述べています。

 「フラワーエッセンスを古典的なホメオパシーの手順で繰り返し希釈し続けると、エッセンスはポテンシーの高いホメオパシー薬の持つ、強制的な性質を帯び始める。」

「(エッセンスの強化は)それが、フラワーエッセンスを用いる最終のゴールである『魂の成長』の過程を真に促すものかどうかを問わなければならない。フラワーエッセンスの作用を強化したいという欲求はしばしば、現代社会の『多ければ多いほどいい』という物質主義的な偏見の反映である。
 フラワーエッセンスはゆっくり穏やかに作用し、そのためにこそ魂の成長に取り組むために優れたレメディなのだ。」

 「エッセンスやフォーミュラ(コンビネーション)を強化することで早く結果を得ようとするよりも、フラワーエッセンス療法は、内面の生活を深めることを目指しているのだと思い出そう。それによってこそ、植物の開花プロセスと人間の魂の成長プロセスの間の精妙な共鳴(リソナンス)効果が増すのである。」

フラワーエッセンスと、自然と生命のリズム

 これはエッセンスの長期的な使用ということと関わってきます。それは、フラワーエッセンスを深いレベルで使いこなすには、時間の要素が大切な役目を果たすということです。

 「なぜ、花のエッセンスなのか」ということを考えてみてください。

 人間も動物も植物も、すべて母なる自然の一部である生命です。地球上の生命の中には、自然の法則、力、リズムが流れています。私たちが生命として健康に、幸せに生きるためには、この法則とリズム(周期性)に調和して生きることが必要です。

 リズムとは自然における時間の周期であり、1日のうちの朝と晩や、四季の季節の巡りはその表現です。人間の人生にも季節の巡りがあり、芽吹き、成長、開花と成熟のタイミングがあり、また人間関係にも仕事での自己表現の中にも、同じようなリズムがあります。

 けれども現代社会に生きる人間は、しばしばこのリズムや時間の流れの感覚を忘れ、そこからさまざまな健康の問題や、自分自身あるいは他の人間との関係で悩みやフラストレーションに遭遇します。

 体の日周期(概日リズム)を無視して生活し、そこからホルモンのバランスが乱れて体の不調や免疫異常が引き起こされる。あるいは感情や人間関係に自然に存在する流れを無視し、自分の思い通りに関係を動かそうとして傷ついたり傷つけられたりするなどは、その一例です。

 それに対して植物たちは、四季の巡りやその他のリズムとつねに一つになって生きています。そして植物にとってのすべての内的・外的条件が整った時にのみ開く「花」は、自然の摂理のもっとも見事で美しい表現です。花は母なる自然の季節の巡りの、とても特別な象徴なのです。

 そしてだから、魂のアルケミー(精神的錬金術)とも言えるフラワーエッセンス療法では、魂の癒しと変容の触媒として、実でも葉でもなく、花から作られたエッセンスを使うのです。

 フラワーエッセンスを使うことは、同時に時間との関係を魂にとってより自然なものに回復させ、魂の自然なリズムを取り戻すことでもあるのです。フラワーエッセンス療法の本領が長期的な使用にあるというのは、このことをも指しています。

 フラワーエッセンスの可能性を知ってもらう、まずとりあえず使える形で効果を経験してもらえるのはもちろん素晴らしいことです。

 けれども同時に、フラワーエッセンスの力はそういった使い方に限られるものではなく、私たちが人生を歩んでいく上で、自然が私たちのために用意してくれた旅路の同伴者となる力を秘めていることを、覚えておいて欲しいのです。

チコリ
プロヴァンスの山の中に咲くチコリ

『Flower Medicine: Essence, Remedy, Healing』(vol. 2)

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