土地のオーラ(エネルギーフィールド)は、そこに生きる植物、動物、人間のエネルギーの総和。住む場所のエネルギーが自分に与える影響

土地にもオーラ(エネルギーフィールド)がある

 生きているものにはすべてオーラフィールド(エネルギーフィールド、バイオフィールド)がある。これは人間も動物も同じ。

 しかしオーラフィールドの質、色、大きさ、強さ、流れ方などの組み合わせには、一つとして同じものはない。それはオーラが、それぞれの生命の個性と生命力、現時点での健康度の動的な表現だからだ。

 そして土地や国にも同じようにエネルギーフィールドがある。そしてそれは、そこに住むすべての生命に影響を与える。

 土地のエネルギーフィールドは、その土地や圏(スフィア)自体の基本的な性質と、そこに育つ植物や動物のエネルギーの総和、そしてそこに住んだり活動する人間のエネルギーが織り合わさって構成される。それは数えきれない要素からなるエネルギーの織物にも、あるいは大小無数の楽器で構成されるシンフォニーにもたとえられる。

 土地そのものの基本的なエネルギーを構成するのは、地球上の位置関係、気候と地理条件など。それに、いわゆるレイラインや、風水では「龍脈」などとして知られる大きなエネルギーの流れがある。

土地のエネルギーフィールドの構成要素
磁場、レイライン、気候と地理条件

 地球上の位置というのは、北半球か南半球か、緯度と経度、両極や赤道への近さなど。エネルギーフィールドには電磁場としての性質があり、地球自体の磁場の影響を受ける。また南半球と北半球では、チャクラの回転が逆方向になる。

 現在、地球の磁北が少しづつずれ始めているが(やがてアラスカからオーロラが消え、代わりにシベリアやヨーロッパで見られるようになると予測されている)、こういった変化も、人間のオーラフィールドにも影響を与えると考えられる。

 「レイライン」として知られる大地を走るエネルギーの流れを、古代の人は体感的に感じることができた。今でもエネルギーに敏感な人は、それに近い感覚がある。

 このエネルギーのラインの中で比較的大きなものは、人間で言えば経絡に当たる。それが複数交わる地点がいわゆる「パワースポット」で、これは人間で言えばツボのようなもの。イギリスのストーンヘンジや世界各地の神殿、宮居など、古代からの聖地は、まず間違いなくこういった自然のパワースポットの上に建造されている。

 現代でも、中国の黒帽派などのように古典的な形で訓練されている風水師は、土地の形などから、こういったエネルギーの流れを読む。また、ペンデュラムを用いてこういったラインを読むダウザーたちもいる。

 気候は、熱帯、温帯、寒帯といったおおまかな分け方もできるが、大陸か半島か島か、内陸か海の近くか、平地、谷あい、山の上かといった土地の形、高度(海抜)、気温や湿度、雨量、風向きなどと、季節の変化のパターンからなる。

 気候が穏やかな土地では、エネルギーのパターン(オーラフィールドの基本的な性質)もやはり穏やかで、気候が厳しい土地では、エネルギーのパターンも強くはっきりとしている。

 高い山の上では、第6チャクラや第7チャクラなど頭の上の方のチャクラの働きが活発になる。同時に地表レベルの「世俗的」なエネルギーの影響が薄れることもあって、意識の高い領域にアクセスしやすくなる。聖地の多くが高い山の上にあり、また高い場所では内省やメディテーションがしやすいのは、このこととも関係している。

 海は逆に、我々の肉体(第1チャクラ)や感情(第2チャクラ)をうるおし、滞りを押し流して波を作り出し、生命の本源の感覚を目覚めさせてくれる。

 こういったたくさんの要素が幾重(いくえ)にも重なり、その上に動植物の性質などが編み込まれて、それぞれの土地や圏に固有の性質が生まれる。

 固有の個性をもって長く維持されてきた一つの圏には、かつて神智学者によって「土地のデーヴァ」、日本でいえば「山や谷の神様」と呼ばれたような、はっきりとした性格を持ったパワフルなエネルギー存在がいることもある。「○○山のデーヴァ」「○○谷の神様」といったようなものだ。

 土地のデーヴァの記述については、ジェフリー・ホドソンなど、20世紀はじめの神智学者の観察と研究が優れている。

土地のエネルギーとそこに住む人間のオーラの関係

 温暖な気候や優しい四季に恵まれてきた土地なら、土地自体のエネルギーも基本的にやはり穏やか。気象条件が厳しく寒暖の差の激しい土地なら、エネルギーの性質もきっぱりとして明暗のコントラストが強く、それはそこに住む人々のエネルギーにも反映される。

 暑く乾いた土地では、暖色の第1チャクラ(赤)や第2チャクラ(オレンジ)が刺激されてよく発達する傾向がある。第1チャクラの生命力が刺激される場所では、人間や動物は肉体的に強くたくましく育ち、第2チャクラが刺激される場所では、情熱的な性格や行動性が生まれる。

 ただし北極・南極、アラスカなどのように極端に寒い土地では、逆の形で第1チャクラの生存本能が刺激され、これはこれで独特のたくましさと耐久力を生み出すようだ。

 気候が穏やかな温帯では、生存レベルのニーズを満たすことにエネルギーをあまり消耗しないので、人々は比較的早くから第3チャクラの知性や社会性面を発達させる傾向がある。

 気温の高い土地でも、湿度が高く緑の豊かな土地になってくると、第4チャクラ、ハート・アストラル系のエネルギーが主要なパートを占め、そこに住む人々も、みこむようなハート系のオーラフィールドを持っていることが多い。つながりの感覚が強く、なんでも受け入れてしまう懐の広さがある。緑はもちろん第4チャクラの色だ。

 ハワイなど太平洋の島々、バリやインドネシア、フィリピンをはじめとする南アジアや、ブラジルなど中南米の国々はこの例。日本で言えば、沖縄は、本州に比べて第1チャクラの赤の生命力と、第4チャクラの緑のハート・エネルギーのまさる土地だと思う。

 気温がそれほど高くなくても、しっとりと鮮やかな緑で包まれた国は、やはりハート・アストラル系の印象が強い。ヨーロッパで言えば、人々の情感が濃く、同時に目に見えない世界との交流譚や妖精伝説が非常に豊かなアイルランドだ。

 ただし人間の性質を理解するためには、すべてを一つの色で塗りつぶすような単純化をしてはいけない。例えば日本のように穏やかな気候帯に住んでいても、激しい性格の人はいる。これは性格の形成にはもちろん、魂の持ち込む個性、遺伝や家庭環境、社会的条件づけなど、多数の要素が関係しているからだ。

 それでも全体として日本に生まれ住む人々のオーラを観察し、気候の激しい土地に住む人たちと比べた場合、全体的なオーラの穏やかさ(平均的なオーラのデリケートさ、バウンダリのファジーさ、色目の淡さなど)は疑いようがない。

自然環境の中の四大元素(エレメント)の影響

 土地のエネルギーが、どうそこに住む人間のオーラとエネルギー、心身の健康に影響を与えるかを理解するには、自然環境の中の元素(エレメント)に目を向けることもできる。例えば空気や風の質、水との関係などだ。風では、強さや吹く方向、季節ごとの変化のパターン。水では、湿度、降雨量、海や川、池などがそばにあるかなど。

 きれいな空気、風や雨は、土地自体やそこに住む人間のエネルギーフィールドをきれいに保つのに役立つ。雨上がりのすがすがしさや、嵐や台風のあとの何もかもが浄化され切ったような感じを思い出してみるといい。

 森林浴の効果の一部は、樹木の発生するマイナス・イオンに関係するが、雷雨の後などにもマイナス・イオンがあたりに満ちる。マイナス・イオンはオーラをチャージしてくれる。

 水はすべての生命現象の媒体だが、エネルギーと物質をつなぐ媒体でもある。

 伝統的なスピリチュアリズムスや霊媒の間では、湿度の高い土地では、物質世界と目に見えない世界の間の壁が比較的薄いことが知られている。あるいは同じ場所でも雨の日には、見えない世界とのコンタクトがとりやすい。

 また、フラワーエッセンスの生成で、水がエネルギーを保持する媒体として使われるのも、エネルギーと物質をつなぐエレメントとしての「水」の役割と関係している。

 こういう話をしてくると、「じゃあ、水の近くに住むのがいいんですね」という質問を受けたりするが、自分の住む場所を選ぶのに何より重要なのは、自分のエネルギーと土地のエネルギーの相性だ。

 「どんな人にも完璧な住む場所」などとというものはない。それははじめに書いたように、すべての人のエネルギーシステム、オーラは、独自の個性とニーズを持っているからだ。

 「空気や水のきれいな場所」といった、生命を普遍的に支えてくれる条件はもちろんすべての人に当てはまる。

 だが、たとえば「乾いた場所と湿った場所のどちらがいいか」「水辺と山の上のどちらがいいか」といった選択は、その人のエネルギーの構成要素によって異なってくる。漢方やアユルヴェーダでは、これをそれぞれの人の体質として理解し、アルケミーや占星術では、その人を構成する元素(エレメント)の組み合わせとして理解する。

 例えば、体質的に水のエレメントの非常に強い人が水のそばに住むと、かえって水の要素の過剰から体調を崩したり、感情面で流動的になり過ぎたりする可能性もある。感情や対人関係のバウンダリ(心的境界)がファジーになり、月の満ち欠けに対応する感情周期の波も激しく不安定になるだろう。

 だから大切なのは、まず自分のエネルギーの体質について知ることだ。

 (続きの記事はこちら

『エネルギーの海 スピリット通信』(vol. 13)


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